痛哭吉田翠3月6日読了時間: 1分痛哭似非と言われ痩せ衰えた神官が証跡を捕縛すべく深く深くまで爪を立てて土を掻く草の根と小さな虫の屍とそれ以外一体何が出て来ると言うのかやがて手を止め爪の中に入り込んだ忌々しい土に唾を吐く眠りたもうた者は循環の渦のひと雫それこそが神であるのかと一天をみつめ嘆きの声を振り絞るあたかも眠りそびれた獣の咆哮がごとく
神隠し神隠し 月影ならば 隠れる物陰のひとつも 見つかるものを 一天に広がり射抜くまたたきに 遠野の里の娘のごとく 囚われた時間の長さは 先細る伸びた黒髪 わずかなおののきに 身を屈める地の神々を諌める神話 それを前に 徒然の詩人は筆を置き ただただ禁足から逃れるための...