互いに吉田翠4月9日読了時間: 1分互いにすっかり年老いた母の手を取る。娘の髪にも随分と白いものが増えた。藁葺きの並ぶ郷の道をふたり、ゆっくりと歩く。少し嵩が増すも、温むにはまだ早い川の水。ふたりはそこに架かる橋を渡った。見慣れたこの川、この道。仄かな梅の香を感じながら、今日もまたお地蔵様に腰を折る。その手合わせは母を思ってか、娘を思ってか。この季節を繰り返し見届けても尚、親は親、子は子のままに歳月はゆく。