八百万ー宿るモノー吉田翠2024年2月1日読了時間: 1分八百万ー宿るモノー古址には眠らぬ神代の魂八百万 分を知り足るを知りつつ宿る者総じて奔放にどこまでも自由に侵す意図も侵される謂われも持たず範疇の境まで唄い踊り怒りそして眠るおよそ人知の及ばぬもののように見えて人もまたその一部ただ余計なものを持ちすぎたひとつの個ならば我らは子となり分を知りさあ唄え踊れ怒れ笑え眠れ そして臆することなくただの人となれ
痛哭痛哭 似非と言われ痩せ衰えた神官が 証跡を捕縛すべく 深く深くまで 爪を立てて土を掻く 草の根と小さな虫の屍と それ以外 一体何が出て来ると言うのか やがて手を止め 爪の中に入り込んだ 忌々しい土に唾を吐く 眠りたもうた者は 循環の渦のひと雫 それこそが神であるのかと...