うつろう吉田翠2024年3月5日読了時間: 1分うつろう軒先のか細い雨音を受け止めるのは紫陽花鮮やかな色があるうちにひと枝切り取ろうとしては憂いを帯びた空が探しはしまいかと手を止める盛りを過ぎて幾分褪せた色ほど紅掛けの名に近づくとはおかしなものだとつくづくおかしなものだと差し出したまだ白い手の平を濡らす雨粒に首を振る