top of page

その一葉

  • 執筆者の写真: 吉田翠
    吉田翠
  • 2024年2月5日
  • 読了時間: 1分

その一葉




取り残された一葉が


風に吹かれて身を離す


この時に抗うわけでも


ましてや待つでもなく


ただ落ちる



小川の水面をゆらゆらと


役目を終える葉を抱え


水の流れのその先にあるものは


恐らく次の春



少し眩しい日の光に


手を翳したわたしは


運ばれるままの一葉を



見送った



短歌


せせらぎに身を委ねたる一葉に移ろふ先の若芽を思ふ


ロゴ3.PNG

 © 2017 Midori Yoshida

© Copyright
bottom of page