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記憶の声

  • 執筆者の写真: 吉田翠
    吉田翠
  • 11月21日
  • 読了時間: 1分

記憶の声



母の腕に抱かれ


 充ちてゆく日々


記憶の声を失ったまま


 その身に落ちる


雪のひとひら



若葉の頃は風に泳ぎ


熱に浮かれ傷を負った身が


次に続く者達のために


その支度に入る今


失ったはずの記憶の声よ


再び巡り来るのか



ほろほろと色付いた


 秋の葉に


まれびとを招くがごとく


 名もなき風が渦をまく





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