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雪の足跡

  • 執筆者の写真: 吉田翠
    吉田翠
  • 2024年3月14日
  • 読了時間: 1分

雪の足跡



手の平で受けるでもなく

 ただ甲に触れる雪


さして冷たくもなく 

 気にするでもない雪


わたしの歩みは何処まで来て


何処に向かうとしても


振り返る霞の中の記憶のきれぎれは


やがてひと肌のぬくみに

 溶けてゆく淡雪


いくらか後ろ髪を引かれても


それは雪が残した

 微かな水滴に似て



忘れてゆくとは恐らく


そういう事


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 © 2017 Midori Yoshida

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