雪の足跡吉田翠2024年3月14日読了時間: 1分雪の足跡手の平で受けるでもなく ただ甲に触れる雪さして冷たくもなく 気にするでもない雪わたしの歩みは何処まで来て何処に向かうとしても振り返る霞の中の記憶のきれぎれはやがてひと肌のぬくみに 溶けてゆく淡雪いくらか後ろ髪を引かれてもそれは雪が残した 微かな水滴に似て忘れてゆくとは恐らくそういう事