零落の神吉田翠2023年5月8日読了時間: 1分更新日:2024年1月23日零落の神発する言葉の先にある神と発する言葉の根元にある人間の血の通わぬはかりごとは広がっては消える波紋のごと踏みつけられた零落の神よ導く者があるならば閉じる運命の詞の外で業火をにらみ我が身を焼き尽くせ地に潜り我がこころを連れてゆけ生きろ歴史の奥深くより聞こえる声の礎として
痛哭痛哭 似非と言われ痩せ衰えた神官が 証跡を捕縛すべく 深く深くまで 爪を立てて土を掻く 草の根と小さな虫の屍と それ以外 一体何が出て来ると言うのか やがて手を止め 爪の中に入り込んだ 忌々しい土に唾を吐く 眠りたもうた者は 循環の渦のひと雫 それこそが神であるのかと...