あめにけむる
- 吉田翠

- 6月4日
- 読了時間: 1分
雨にけむる
知りたくて
わかるはずなくて
知りたくなくて
わかってるから
見たくて
見たくなくて
結局見えなくて
雨にけむる日は薄ぼんやりと
少し揺れながら
やがて落ちるから
重たい雲を突き抜ければ
そこには青空が広がってるなんてね
考えなくていいよそんな事
雨にけむる日は薄ぼんやりと
見えないものは
見えないままでも
黙っていればそれでいい
ひとり言のような靴音に
いろんなことを隠しながら
ほら、みんなそうやって歩いているじゃない
濡れそぼった街路樹の葉が笑いながら
ふわりと揺れた

