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ポリアフの腕に身を預けて
- 吉田翠
- 2021年3月21日
- 読了時間: 1分
更新日:2024年1月23日
雪の似合う人がいる
寒さに震えることもなく
愛おしいものに触れたくて 雪の中に身体を預けているかのように
そこにどんな物語が見えているのでしょう
ポリアフが手招きをする 一緒にこの物語を見てみましょうと
そこにあるのは 凍えない 暖かな雪
結晶のひとつひとつが 自分だけの物語を語る
それは わたしの物語だと静かに囁きながら 奏でるものは 孤独と歓びの旅物語
ポリアフが微笑む 凍えない暖かな雪のマントで 彼女を包み込みながら
きっとこれを繰り返し見たのですね そこにある ひなたの中で咲く小花のようなこころを
雪の似合う人がいる ありのままの姿を受け入れて 白の景色に身体を預け 自分の物語を抱きしめる人
わたしも見てきたのかも知れない 冬枯れが怖いと 忘却の彼方へと遠ざけた ひと握りの物語