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ー我こそがこの大地ー Pele-kumu-honua
- 吉田翠
- 2022年1月23日
- 読了時間: 1分
更新日:2024年2月4日
ー我こそがこの大地ー
Pele-kumu-honua
オヘロの赤い実を喰らい
キラウエアの魂たるわたくしを
ただの物語に作り替えたつもりのカピオラニよ
勘違いはするな
上目遣いで慄き媚びる者どもには邪険をくだすように
闘いを挑む者どもには慈悲を与えたまで
見るがいい
幾百年の時を経ても
フラをもってメレをもって
我が身を称える老若男女の顔を
土のまことを知る者達の顔を
豊かになびく髪の隅々までが嫉妬と怒りを持ち上げ快楽に踊る
噴き上げる恍惚の叫びこそはわたくしの息吹
熱の束は君臨に相応しい光る石となり
煌びやかに空を駆け上がる
語り継がれるわたくしは凶暴で美しく
どこまでも傲慢で
どこまでも力強くあってこその神の物語
やがて焼けた石の礫を握りしめながら
聞こえるか、聞こえてくるか
長く深い遠吠えは
豊かな創造への序曲と知らしめる
再生は再びの共生を許し
ひざまずく者達の目に宿る我がマナへの誓約
見るがいい
新しい命を宿した大地を祝い
舞い飛ぶイイヴィが声を上げる
わたくしがペレ
さあ、どきなさい