検索
未完の夢の端で
- 吉田翠
- 2020年12月16日
- 読了時間: 1分
更新日:2024年1月23日
未完の夢の端で
こころを固くして見る浅い夢は
不確かな迷い道
どこまで広がるのか
わたしの知らない夜は
世界には静寂しかなく
そのしじまが頼りなく広がり続けて
幻想のベールに覆われていた星々が
わたしを叱る
その声は無音では無い、何か
いつ迎えたのか
わたしの知らない朝は
乳白色の中で僅かな薄桃色が揺らぎ
無意味な不安を横目で諭す
その瞳は呼びこんだ、何か
夢では無い夢を追い立てて
わたしは何処に立つ?
何を求めた?
そんな問いかけすら切れ切れに薄れて
よく知った現実に身を滑らせる時
例え
夜と朝の間に見たものが真実だったとしても
それを語る言葉は遠ざかる
涙は充分に流れたでしょう
胸が痛くなるほどのおののきと
固く閉じた身を救うめざめ
さあ
行きなさい
怖くないから