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波の音は明けない朝を洗って
- 吉田翠
- 2020年12月16日
- 読了時間: 1分
更新日:2024年1月23日
波の音は明けない朝を洗って
足の下の砂が水にさらわれてゆく 波打ち際でわたしの世界は どうしてこんなに小さいのだろう 恐れを美化し続けたいつまでも明けない朝 いったい何に酔った日々を繰り返していたのだろう 不規則に連なる音はやがて 次の崩れる波の音を運び わたしの憂いと、儚い記憶を持ち去って行った だからわたしはここに来る だからわたしは 何も求めずとも良いのだと知るために
ここに来る