雨だれを数える日々に吉田翠2024年2月22日読了時間: 1分雨だれを数える日々に野辺へと向かう身に施すひとさしの紅見送る側を慰めるとも言う引かれる色は無念の赤掃き出しの障子を開けるしっぽりと濡れたブルーグレーの空の下仮のお宿も見つからないかちいさな雀が木々の間を行ったり来たり単衣の合わせを固く閉じて押し留めた情の絡みは どこまで待っても無縁仏軒下の紫陽花が揺れるわたしは雨だれをひとつまたひとつと数えた