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​流れは
 塵と共に

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流れは塵と共に はじめに

  • 執筆者の写真: midoriandhana
    midoriandhana
  • 5月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:14 時間前





『流れは塵と共に』は掌編と、ひとり語りで繋いだ連作物語です。


中世室町時代初期を舞台に、芸の世界に身を置く桔梗という名のひとりの女性が、時代を流れていく様を描いた物語で、社会風土と神話的要素が絡んだフィクションです。

序章〜完結編まで、合わせて13,000文字程度です。


本作品の序章に出てくる大避大神とは、神格化された秦河勝であり、後世能楽師の世阿弥が能の始祖であるとした人物にあたります。


この大避大神から始まるものが、太い縦軸として物語を貫きます。桔梗が終の住処とした嵯峨野近辺も、秦氏が開拓した地であると言われています。


社会の目では賎民とされていた芸能者ですが、這い上がっていくことも不可能では無かった時代に、宿命を背負い生きた桔梗。安寧な生活を手に入れつつも、哀しみの中で物語は幕を閉じていきます。


神話的と書きましたが『いわゆる神話』では無く、むしろ民話や伝承の要素と言ったものです。地の(あるいは地産の)神なる者と人との接点付近を取り入れています。



完結編以外の各章は、単体で成り立つ掌編であり、とりわけ散文詩的風合いの強い『忘却へ』『花が舞う』では名前を出さなかったり曖昧になっている部分が多くあります。また章により視点がまちまちな中「封印」で初めて桔梗の視点で振り返る構成になっています。

序章に始まり、本編と位置付けた『流れる』『断つ』に書かれたものを内包しながら完結編で収まる所に収まり着地します。


中世の言葉(とりわけ方言)を調べる能力が無いので、言葉使いは間違っているかと思います。年齢や立ち位置を考え雰囲気を出す程度にとどめています。


尚、この作品はプラットフォームnoteにて先に公開されたもので、連作それぞれについての解説等を含んだものはnoteにマガジンとして収めてあります。





お読みいただければ幸いです。




吉田翠


── 亡き父に捧ぐ ──







 
 
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